僕達は、日常生活を送るなかで虚無感や無力感といった感情に襲われることがありますよね?
一生懸命に頑張ったのに努力が報われることなく終わってしまい、「これまでの努力は何だったんだろう?」と無力感を感じてしまったり、なんとなく人生がつまらないと思うような味気無さを感じて、世の中を空虚なものに見えてしまったり、自己否定から自分らしさというものを見失い、「何をやっても無駄だ…」と感じて、何もする気にならないと思ったりする。
あるいは、大切な家族との死別や恋人との別れがあって、虚無感を感じることもあるでしょう。
人生の中では無力感や虚無感といった感情に襲われれることは誰にでもあることで、「あの時のことがあるから、今の自分がある」と言えるような、自分らしさを形作っていく経験となることもあると思うんです。
けれど、これらの感情が長期的に続いてしまい、鬱々とした気持ちで毎日をすごしていては鬱病など病気になることもありえますから、上手に感情と付き合っていくことが大切になんですね。
今日は、日頃から無力感や虚無感といった感情を襲われ、何もする気にならないといった「心が空っぽ」の人の原因と対策について考えてみたいと思います。
■目次
心が空っぽになる理由
僕達が、心が空っぽになるような無力感や虚無感を感じることは、人生の節目節目にあるものかもしれません。
進学や転職といった人生の大きな選択のときや、大切な人との死別や別れだったり、人生の節目に思い通りにならことから無力感を感じることや、虚無感を感じることもあるでしょう。
あるいは、物事を悪く考え過ぎてしまう考え方の癖が、日常的に自分を負のスパイラルへ陥いらせてしまっていることもあるかもしれません。
ここでは、無力感や虚無感によって鬱々とした気分で過ごしている人の代表的な原因について紹介します。
感情を抑圧すると自分らしさを見失う
自分の素直な感情を抑圧し過ぎると、「何のために生きているのかわからない」「何をやっても無駄だ」といった具合に、世の中を空虚に感じる虚無感に襲われることがあります。
ヘトヘトに疲れて休みたいのに「怠けてはいけない」と自分を鼓舞し続けたり、一人ではとても対応できないことを「人に迷惑をかけてはいけない」と我慢して、なんとか自分一人でやり遂げようと頑張り過ぎてしまったりする。
「休みたい」と怠けてしまうのはいい加減なことだと思ったり、自分一人で頑張れないことを自分勝手だと思ったり、誰かに冷たい人間だと思われることを恐れてしまい、自分の素直な気持ちを抑え込もうとしてしまう。
これでは、無理に無理を重ねて消耗してしまい、心や体がヘトヘトになってしまいます。
また、感情を抑圧し過ぎると、「自分のことがわからない」「自分のやりたいことがわからない」といった具合に、自分らしさを見失ってしまうことがあります。
休みたい!→みんなに迷惑がかかるから怠けてはいけない
遊びたい!→忙しいから遊んでいる暇はない
やってみたい事がある!→そんなことしても意味がない
あなたは、こんな風に自分の感情を抑え込んだ経験はありませんか?
全て自分の思い通りに生きることは出来ませんから、ときには我慢しなくてはいけないこともあるのですが、我慢し過ぎると日常生活を楽しむことができません。
何をするにも自分で自分に反対意見を出していては、自分が何がしたいのかわからないとなってしまいます。
自分のやりたいことを、始める前からダメな理由をあげて「ダメだダメだ」と反対ばかりするのは、自分で自分をいじめているようなものではないでしょうか?
思い通りにならない人生に無力感を感じる
過去の失敗経験や辛い経験によって無力感を感じる人もいるでしょう。
一生懸命に努力したのに思い通りの結果が得られなかったり、介護や看護の後に大切な人との別れなど、誰かを助けられなかったというような経験から、自分は無力だと思ってしまったりする。
けれど、僕達は何でもできる完璧な超人ではありませんから、出来ることには限界があるんですね。
また、人それぞれに学びのペースは違いますから、過去の自分には出来なかったことが、今の自分になら出来るということもあるでしょう。
「どうせ、自分は何をやっても無駄だ」と考えてばかりいては、現状を打開しようとする意欲を持つことができません。
誰にでもやる気をなくすことはありますが、長期間たってもやる気が起きないままでは、ズルズルと「自分はダメだ」という気持ちに引き込まれてしまいます。
そうならないためにも、自分を許して受け入れてあげることも必要でしょう。
認知の歪みが自分を苦しめる
物事を悪く考え過ぎてしまう癖があると、人生を生きづらくしてしまいます。
特に虚無感が強い人は物事のマイナスな面にばかり目が行きがちですから、人間関係の些細なことにもマイナスの面を見てしまうことがあるんですね。
例えば、LINEやメールの返信が遅かったときに、「何か怒らせるようなことをしただろうか?」とか「すぐに返信がないのは嫌われているからかも?」と考えて、物事を悪い方に考え過ぎてしまったりする。
返事が遅かったのは、たまたま手が離せなかったり、忙しくて対応できなかったりすることもあるのですが、マイナスの面にばかり目を向けてしまうと「すぐに返事をしないのはどうして!」「私のことが大切じゃないから?」と、悪い方に悪い方に考えて負のスパイラルにはまってしまうんですね。
こうして、「やっぱり、私は嫌われているんだ」とか「だから、私はダメなんだ」という考えに繋がって、虚無感や無力感に繋がってしまうんですね。
虚無感や無力感を解消する方法
これまで、認知の歪みや感情の抑圧等が虚無感や無力感に繋がる原因となることを書きました。
ここでは、実際に虚無感や無力感を感じたときに、どのように対処したらいいのかについて説明したいと思います。
自分の気持ちを叶えてあげる
僕達は、様々な制約のある社会に生きています。
自分の思い通りになることばかりではなく、我慢せざるを得ないと感じることもあるでしょう。
例えば、疲れていても仕事が忙しくてなかなか休めないと感じたり、周囲に迷惑をかけないためには、誰にも頼らず一人で頑張らなければいけないと感じて頑張り過ぎてしまったりする。
けれど、無理をし過ぎて体調を崩してしまっては元も子もありません。
あなたが、他人がどんなことを考え感じているのかを知ることができないように、周囲の人も、あなたがどんなことを感じているのかを知ることは出来ません。
あなたが辛いと感じているときは、断ったり、休みを取ったりしながら、自分で自分を守ることって大切なことなんですよ。
クタクタに疲れているときに、「まだ、やれる」と思ったときは、他の誰よりも自分で自分に厳しくしているときです。
気持ちをリフレッシュすることができれば、また頑張ろうという意欲が湧いて努力することができるのだから、周囲の人のためにも頑張り過ぎないようにしよう。
また、日常生活に楽しみを持つために、やりたいことをするのは大切なことです。
身体の疲れは休めば取れますが、心の疲れは体を休めるだけでは疲れが取れません。
むしろ、虚無感のある人は「こんなことしていていいのだろうか?」とか「皆に遅れてしまう」とアレコレ考え過ぎて、かえって疲れてしまうこともあるんですね。
心の疲れをとるためには、自分の好きなことをすることが最も効果的です。
だから、自分の「やりたい!」「面白そう!」「楽しい!」って気持ちを大切にして、それを叶えてあげてください。
認知の歪みを考え直してみる
虚無感のある人は、「どうせ、自分は何をやっても無駄だ」とか「何をしても意味がない」と考えて、自分のやることに価値を見出せずに鬱々とした気分になりがちです。
けれど、コップに半分入った水を見て、「あと半分しかない」と思う人もいれば、「まだ半分ある」と思う人がいるように、同じ状況であっても人によって捉え方は違ってくるものです。
自分のすることに意味があるのか、それとも無いのかというのも、結局は自分の捉え方次第なんですね。
あなたが、「何をしても意味がない」と思ったのは、これまでの経験による客観的なものだと思っているかもしれませんが、本当は自分自身で「自分は、ダメだ」と勘違いしただけなんだ。
だから、「どうせ、自分は何をやっても無駄だ」とか「何をしても意味がない」と考えてしまったときは、本当にそうなのか疑ってみよう。
あなたは、どんなことがあって虚無感が湧いてきましたか?
そのとき、どんな考えが浮かびましたか?
そのことによって、どんな気分になりましたか?
状況を客観的に見て、浮かんだ考えが違っていたとしたら、どんなことが考えられますか?
何事もマイナスの面にばかり目を向けると鬱々とした気分になってしまいますが、プラスの面に目を向けると気持ちも前向きになることができます。
虚無感に襲われたときは、自分の認識に誤りがないか疑ってみてくださいね。
小さな成功や幸せに目を向ける
虚無感を感じている人は、「自分には何もない」と考えて鬱々とした気分になりがちですが、本当に何もないのではなく、見逃しているだけなのかもしれません。
成功や幸せを感じることというと、何か特別なものをイメージする人も多いかもしれませんが、小さなことでも幸せな気持ちになれることってたくさんあるんです。
例えば、美味しい料理を食べに出掛けたり、美しい景色を見に旅行に行ったり、好きな映画や漫画を読むことだって、十分に幸せな気持ちになることなんですね。
あなたの好きなことは何ですか?
今のあなたに出来ていることは何でしょう?
楽しいことや幸せに感じることを見つけることができたら、「このために、自分は頑張っているんだ」と現状を前向きにとらえることができます。
あるいは、小さな成功でも積み重ねていくことで、充実感を感じることもあるでしょう。
虚無感があるときは、「自分には何もない」と考えて鬱々とした気分になりがちですが、些細な幸せ目を向けてみることで気持ちを切り替えることも出来るんですね。
おわりに
僕達が、社会で生きていくためには様々な制約がありますから、どうしたって頑張らざるを得ないこともあるのだけれど、日常生活を楽しんだり、自分を守るためにも、時には断ることや、休むことも大切なことです。
心の余裕がなくなってしまっては、普段は面白いと感じることや好きなことであっても十分に楽しむことができません。
また、日常生活に楽しみがなくては、ストレスを解消するすべが乏しくなり、人生に充実感を持つことが難しくなってしまいます。
だから、自分が嫌だと思う事を断ったり、疲れたと感じたときは休んだり、ストレスを解消するための楽しみを持つことって大切なことなんですよ。
あなたは、毎日辛い気持ちで過ごしたいですか?
そんなことはないですよね?
自分がどうありたいのかを考えて、人生に充実感を感じるような目的や目標を見つけてみよう。
あなたの人生は、あなたのものです。
他人の価値観や考え方ばかり気にしないで、自分が楽しむ事を優先してくださいね。
なんだか生きていることが空虚に感じる人は、こちらの記事も参考になるかもしれません。